四 谷 怪 談 |
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お岩さん(四谷怪談)の話は、子供の頃から知ってるし、何回も映画化されたり、テレビで放送されたりしてますよね。 だけどそれまでは、全然興味なかったんですよ。 それが、数ヶ月前から何か気になりだして・・・・ 行かなくちゃなぁ・・・と思ってたんだけど、なんとなく・・・ 今頃になってしまったけど、やっと行って来ました。 時間も良い位の時間に到着・・・ 夜中です。 細い道なので車を他に止めて歩いて行きました。 すると車が一台私達を通り越してお岩稲荷の前に止まるじゃないですか?! 細い道に堂々と車を止めて・・・ 数人の若者達が車から降りて来ます・・・ 6人いました。 乗用車なのに・・・ 6人・・・ ( #-"-) 私達は、そいつらが消えるまで離れて待つ事にしました。 ここは、道の左右にお岩さんを供養してる(?)於岩稲荷田宮神社 と 於岩稲荷霊堂 があります。 離れて様子を見ていたら、奴らは覗き込んでる様子でした。 どうやらどちらも閉まってる様子です。 ちょっとすると車に乗り込んで去ったので、私達はまた行ってみる事にしました。
グッ っと胸が苦しくて痛くなり、声が聞こえて来ました。 お岩さんが訴えて来たのです。 しかし、助手が早く隠れようと引っ張るので、お岩さんごとその場をまた離れました。 ![]() しきりに苦しみを訴えてくるから、私は体を貸しました。 お岩さん:「あぁぁ〜〜〜〜、苦しいぃぃ!」 助手の胸ぐらを掴んで訴えるお岩さん。 この時は、つい興奮して取り乱してしまったようです。 お岩さん:「悔しいぃぃ〜〜」 私の鎖骨の辺からあばらの下辺まで痛みが走る。 あぁーここを斬られたのかな・・・ 右目瞼(まぶた)から頬骨(ほおぼね)、おでこの少し上の方までが熱い・・・・・? 「いえもんが憎いぃぃ・・・」 「とにかく、ちと待ってて」と言うと少し落ち着いたようで、静かになりました。 しかし・・・ 奴らは運が良い。 私が居合わせたからお岩さんは、そいつらそっちのけで私に来てましたから。 奴らを見ていたら、またげば入れる方に侵入して、それからもう一方を覗いてたけど入れそうにないので、諦めたらしく向こうに歩き出した。 「さぁー戻ろう」と・・・ すると・・・ また・・・ 今度は、ベンツがその細道に入って、また止まるんです・・・ そこは、霊堂より少し手前で、窓にはスモークを張ってるしマンションの前だったから、どうせ女でも送って来てさよならする前に話してるかなんかやってるんだろう・・・ なかなかどかないしぃ・・・ 覗き込んでやろうか(笑) あまりにも動かないので、もう良いから行こうとベンツの横を通りながら、チラッと見るとカーナビを見ている男二人でした。 もしかして、こいつらもかぁ??? 「もうどうでも良いよ」と、そこに戻って外から覗いて、とりあえず様子を見ました。 そして写真も撮って。 でも・・・ どちらとは、まだ言いませんがぁ・・ お岩さんが悪いのではなく、そこがとても悪い方がありましたよ。 片方は「空気もそんなに悪くないし」って感じでした。 そっちにお岩さんはいましたよ。 とにかくこれ以上は無理なので、お岩さんに手を合わせて「また必ず来るから、約束するから」と言って帰る事にしました。 今度は、中に入れる時間に来よう。 助手が「土曜日にでも来れば良いじゃない」と言うので、思わず「うん」と返事したら・・・・ 助手:今日、金曜だから・・・ 結城:あん?!・・・ (〇o〇;))))!! 明日じゃんか・・・ 助手:そうだね(笑) ![]() まぁー良いけどぉ・・・ ボソボソ言いながら車まで歩いてると・・・ あれ・・・? お岩さん付いて来てるわ。 私は、こばまないでそのまま付いて来させました。 助手:帰ったらお線香上げてもらえば良いじゃない・・・ なんてお岩さんに言うと、 「はい、そうさせて頂きます」 ・・・。 まぁ良いかそのくらい・・・ でもその付いて来方は、やめて! お岩さんたら・・・ 私の両肩に手を掛けて、おぶさる様に付いて来るんだものぉ。 伝わって来る感じから、結構良い所のお嬢さん育ちを感じました。 静かになってからの言葉使いからもそんな感じです。 私は、車の中でしばらくお岩さんに言い聞かせてました。 あなたは、その憎しみを捨てないと駄目なんだよ。 本当は、あなたはとても綺麗。。 心も優しい。 今までの恨み、怒りの心を捨てて素直になれば、その痛みも苦しみも消えるよ。 そして美しいあなたに戻れるし成仏出来るんだよ。 でも、もう少し待っててね。 いろいろな話が出てるけど、本当の所を教えて欲しいし、もう一度来るからそれが終ったら成仏させてあげるからね。 ![]() 何で 祟り と言われるような事をしたかと言うと・・・ それは、自分のそんな姿を大げさに気持ち悪くメイクしたりして、見世物にしたりするから怒って私の気持ちも考えてと言う意味で、霊障を起こしてたそうです。 それから冷やかしで来る奴らの気持ちが許せなくて、思い知らせていたそうです。 近所迷惑にもなるし、障りを起こせば来なくなるかと思ってやったそうです。 確かにあの辺は、細い道だし、民家の並びだしで、近所の人達へ自分のせいで迷惑をかけるのが辛かったそうです。 確かにあれではねぇ・・・ 最近またテレビでそこを放送してたから、余計また冷やかしが多く行く事でしょう。 困ったもんだぁ・・・ これじゃお岩さんもおちおち静まる事など出来ないわ。 私の中に入って来たお岩さんの姿は、とても美しい色の白い女性でした。 本当の姿のお岩さんです。 助手に「ねーお岩さんって、ただれたのって右だっけ?」と聞くと 助手:映画とかだと左だけどね?? ・・・? そうだよなぁ・・・ でも右かなぁ・・??? 帰ってからお線香だけあげて「事実を教えてよ」と頼んだんだけと、もう返事をしてくれませんでした。 夢にも出てこなし、気配は消えていました。 伝説と伝えられてたり、実話と伝えられてたりしてましたけど、こうして彼女の魂は霊堂の方にいました。 彼女は実在してた人ですし、私に訴えて来たあの念からすると・・・ 病気だった。 伊右衛門を憎んでた。 イヤな思い出がある所にはいたくなかった。 斬られて死んだ。 これが事実だと思う。 本当は、おしどり夫婦だったとか。 元気なお岩が奉公に出て家計を盛り返したとか。 病気で薬の副作用で醜くなってしまっても、負けずに明るく振舞うお岩に伊右衛門が惚れたとか。 当時おきてた、板に男女を貼り付けて川に流すという事件がよく起きてたので、それと組み合わせて四谷怪談の話を作ったとか・・・ 事実に基づいて多少脚色して話を作ったとか・・・ いろいろ説は、あるけど・・・ 確かに夫婦仲が良かった頃もあったと思う。 それは、お岩がお金持ちの娘だったから伊右衛門が優しくしてた時期があったからだ。 しかし、夫婦になった以上親に迷惑をかけるのはいけないと、どんどん貧乏になるわ、働き過ぎてお岩は病気になるわ。 で、元々お金目当ての伊右衛門だから、よく家を空け遊んでたと思う。 まぁ遊ぶと言っても、お金はたいしてないからお金のかからない遊びでしょう。 そしてまたお金持ちの娘に・・・・ その為、お岩が邪魔になったのは間違えないだろう。 でもお岩は、伊右衛門を愛してた・・・ 愛してたからこそ、その裏切りはお岩の心もひどく傷つけたでしょう。 「憎い」と言ってたけど・・・ それでもそんな男でも、お岩は未だに伊右衛門を愛する気持ちがあるのでしょう。 とても一途で頑固な女性のようです。 でも、とっても優しい女性です。 ![]() やはり気配はありません・・・ 何で教えてくれないのだろう? まぁ。。とにかくもう一度行きましょう。 午前中に行きました。 観光やスケッチの人達で賑わっていました。 元お岩の住い跡に移したといわれてるお岩稲荷の方へ先に行く事にしました。 ![]() 見回すと一頭の狐がすごくキツイ顔をして・・・ 悪狐ですよ。 悪さをしないよう言い聞かせ撫でてあげると、つり上がってた目つきも穏やかになりました。 中に入り手を合わせてから外へ出ると、かなり空気は軽くなっていました。 私から言わせれば大体、人間を稲荷として狐と一緒に祀るなんて間違ってると思いますよ。 さてそれから、霊堂の方へ。。。 やはりお岩さんは、こっちにいました。 そして私が「さぁ。。成仏しないと・・・」と言うと、なんとお岩さんは、 「良いんです。わたくしは、これで良いんです」と・・・・ なんでぇ??? それだけしか言わないんですよ。 仕方ないから私達は、お墓のある巣鴨の方へ向かいました。 でも、何で自分の家の田宮の方にいないんでしょうかね? 辛い思い出がある所にはいたくなかったと思います。
![]() 元々神道だったのでしょうね。 しかし・・・ ここまでやらなくてもって感じです。 (¨;) 一番奥にあるのがお岩さんのお墓でした。 特別扱いですね・・・ 手を合わせてまた問い掛けると、答えてくれました。 こっちにもちゃんといました。 でも、成仏して輪廻しなくては・・・? 「わたくしは、これで良いんです、この世に残り 守らなくてならないものを守ります」 ・・・・・。本当に頑固だ・・・ 正義感も強い。 ![]() でも、この人、今は言ってもきかないだろう。 だから「わかったよ。何かあったらまた言って来てよ。」 と言うと 「はい。ありがとうごさいました。」 自分の成仏よりも、自分を祀ってくれてる所やその周りが心配のようです。 何で私を呼んだかと言うと その自分の思いを聞いて、みんなに知らせて欲しかったからだっただけのようです・・・ 自分の供養は願ってないのです。 優しいのは、わかるけど・・・ ねぇ・・・ とにかく頑固過ぎる。 (/_;) そんなお岩さんに少しでも心配をかけさせないで、怒らせないで、早く上がる(成仏する)気になってくれるよう、みんなお岩さんに迷惑かけないで。 近所の人に迷惑をかけたりすると、お岩さんは安心出来ないから。 それからお岩さんは、同情されるのも好きじゃないらしい。 気持ちはありがたいと思うらしいけど、自分の事を悲しんでくれても嬉しくないって。 強い人だわよ。まったくぅ・・・ ここまでお岩さんを強くしてしまったのも、この世の多くの人達なんだよね。 困ってる人をほっとけないのよねぇ・・・ それも自分の存在のせいで困ってる人をね。 祟ったりするような人じゃないよ。 教えるって事は、するけどね。(笑) 肉体はなくても、心はあるんだよ。 「祟らないで下さい」なんてお願いするならやらなきゃ良いんだし。 どうしても仕事なんかでやらないとならないなら、報告だけするのが良いと思うよ。 お岩さんを醜い悪者にしないで。 恐がらないで。 悲しむよぉ・・・ お岩さんをモデルに自分の体験などを取り入れて、また違った悪念のこもるような話を作るから、その念を受けて念による霊障を起こす。 それを全てお岩さんのせいにしないで! お岩さんは、自殺なんかしていません! 嘘をついて話を変えている人も過去にいたようです。 綺麗に見せたかった人と、悲惨に見せたかった人がいたんですね。 その理由は、いろいろだと思います。 でも、一番考えて欲しいのは、お岩さんの気持ちです。 | |||||||||||
結城 瞳 |
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