八王子城跡


ある夏の夜中・・・
夜中なのに人が結構来てましたねぇ・・・
まぁ心霊スポットだから仕方ないのでしょうけどぉ・・・
夜になると入り口の付近しか灯りがないので、その先は真っ暗です。
ここは、公園になってるようです。
懐中電灯片手に私達は、先へ進みます。
細い川があるようです。
小さな橋を渡り、先へ進みました。
途中4箇所に橋があります。
2つ目の橋で・・・

ん? なんかこの辺・・・?

道なりに山道を進みます。
そして石の階段を登っていると、また「ん?? やな感じ・・・」
ここに悪い霊・・・。敵方の武士ですね。
ここは、曲がり角です。

と思いつつ、そのまま上まで登ります。

またちょっとした石の階段があります。
この辺から道は、舗装されているようです。

始めの橋から城跡の入り口までは
悪念が・・・
殺気が・・・
ここてでかなり争ったのでしょう。
多くの武士の悪念と、城を守ろうと必死で抵抗し反撃する真剣な念・・・
ここでも多くの命が失われたのでしょう。
かなりの数だと思います。

この辺の石畳や石壁は、新しいようです。

そしてまた階段・・・ あーまた長そうな階段だぁ・・・
門があったと思われる左右の柱を越して中に入ると・・・・
うって変わってシーンと静かな芝生が広がってる城跡地です。
一見何もなかったのようなこの空き地ですが・・
私は、見渡しました。

「この芝に入ってはいけない・・・・」
そう感じました。
この芝の部分が城跡地なんだよ。

助手が入ろうとしてたので、慌てて止めました。 (^_^;)

ダメ〜〜〜〜!
この中に入っちゃ駄目!
ここは、今でも亡き武士達の魂が城を守ろうとしているから
無断侵入者は、彼らを刺激してしまう。
この城の人達は、本当はみんな心優しい人達らしいよ。

慌てて足を引く助手・・・
私は、コンタクトしてみる。

「よく来てくれました。伝えて欲しいんです・・
 もう疲れました・・・。 ここは、我らにとって大切な所なんです。
 ここを荒らして欲しくないんです。
 うるさいんです。静かに眠りたい・・・」

私の中に見えた風景は、地面に数え切れないほどの落ち武者や、
まだ息がありうごめいてる武士や、戦に借り出された村民達らしき人達と
女性達・・・。そして一面の血の海・・・
矢が刺さってたり、刀で斬られたり、竹で刺されたり・・・・
その中に、まだ今でいえばまだ子供の歳・・・
10歳ぐらいの綺麗な着物を着た女の子が見えます。
誰だかわかりませんでした。
それに城の姿が見えない・・
黒い影しか見えない。
城の中でも多くの人達が死んでるはずなのに・・・・
やっばり燃やされたのか?
黒い影は、墨となった城なのか?


心霊スポットとして夜中に多くの心無い人達が来て
騒いだり踏んだりしてるのでしょう。
奇声を発する者もいるのでしょう。
その度に彼は、ビクッ!ビクッ!とするそうです。
心が休まらないのでしょう。

私は、必ず伝える・・・
出来る限り伝える事を約束し撮影の許可をもらいました。
明かりがなければ一面の暗闇です。
フラッシュを使って撮影しても、目の前しか見えない状態です。
数枚撮りましたけど・・・・
見てもつまらないのでアップはしません。
特に目で見て驚くような物は、ありませんでしたしぃ・・・ (^^ゞ

「お疲れ様でしたね。静かに眠れる事を私も願いますよ。」
と声をかけ、供養を始めました。

彼らは、みんな・・まだ若い姫?も、奥方や、使えていた女達も、
矢の刺さったままの武者達も、馬も静かに目をつむり・・
真言を聞いていました。
少しでも心が安らいだ事でしょう。
ただ・・・ 気になったのは、この城の主らしき者の姿が見えなかった事。
何で見えないのか? 感じないのか・・?

私から、もう一度お願いです。

落ち武者達は、静かにして欲しいのです。
もう疲れたから静かに眠りたいそうです。
特に一番上の広い芝生の城の跡地の部分は、絶対に足を踏み入れては
いけない所です。


それから危険なのは、その下にある山道下の橋までです。
ここは、城跡地より危険な魂がさ迷っています。
争い大好き! 人殺し大好き! なんて霊が数人いますよ。

来た道を戻ると、さっき気になった所・・・
山道の途中から暗闇を覗いたけど、私は鳥目なので暗いと見えない!

うぅ〜ん・・・・ この奥にたぶん滝があるなぁ・・・・
きっとその滝は、小さな滝だと思うよ。

この滝に女性が多くいるよ。
ここで殺されたかな?
滝に投げ込まれたかな?
自分で落ちたかな?
大きな滝じゃないと思うけど。
女達の悲しみ、悔しさの念が残ってるぞ。
やっぱり着物着てるよ。
でも・・・なんか違う感じ?
城の女ばかりではない感じ・・の女もいるようだなぁ。
普通の民家の人の女らしい人もいる。
子供もいるようだ。

そしてこの橋も、強い霊気を感じる。

最後に橋の袂(たもと)から手を合わせてから帰る事にしました。
明るい時にまた来ようと思います。

後 日 談

ある晩、寝際に綺麗な黒い着物で頭も綺麗にゆった女性が行儀良く座ると、
おじぎをして「宜しくお願いします・・・」とだけ言って消えました。
なんだろうなぁ??? と思ってたら
翌日、その人含めて悪霊になった武士に憑依された人が来た。 (^o^;

この人は、別の件で除霊をしに来る予定だったんですけど・・・

部屋に来るなり何か変・・・ なんかやたら多いぞぉ?
危ない気配・・・・

何処行って来たか聞くと
「え゛!! まさか・・・ 付けてるぅ?」

結城:うん。食らってる(霊が付いている)ぞぅ・・・

「実は・・・、昨日仕事で、八王子に行ったんです・・」

武士と複数の女の気配がした。

この武士のせいで、苦しんでいた女性達が一緒に来たようだ。。
この武士は、八王子城で会っていた悪霊で、私と会うのは二度目でした。
あんまり文句ばかり言って抵抗するので、消滅してくれた。ははは。

こいつのせいで抑えられてた女性達が、やっと出て来られるようになり、
無事成仏(除霊、淨霊)させる事ができました。
その成仏した中に、昨日の黒い着物の人がいるのには驚きました。
「それでかぁ・・」と変な納得してしまいました。(笑)

きっとあの滝から来た女達でしょう。
なんだかわかった気がしました。
あの時感じた城の者ではない女の霊達・・・・

この戦では、軍勢が少ないが為に民家者(女子供)までが借り出されたそうです。
その人達だったのでしょう。

結局この関係の霊達とは初めて会うのでは、なかったらしい。

そして春・・
前の日の夜から嵐のような強い風と雨・・・
八王子城跡に行こうと思ってたけど、無理そうだねぇ・・
今日も天気悪いらしいよ。
と、うだうだしたら雨も風もやみ、日が射してきた。
でも城跡は、ドロドロかなぁ・・ まぁ、行ってみようかね。
さっきまでの天気が嘘のように暖かいし、良い天気。(^-^)
八王子城跡へ向けて出発!

石碑 前に来た時は、気が付かなかったなんやら石碑・・・
やたら気になる。霊気を感じるぞぉ・・
それで写真を撮ったら・・・
こんな顔が写りました。

髪の短い男性の霊 髪の短い男性ですね。
木の枝や葉が邪魔して
ちと見にくいですが、
目を閉じまさに死人の顔・・・
気味悪ぅ・・

さて行こう。
前と同じ道で上まで向かいます。

ここにいたのです。 あぁ、やっぱりいない。
お客さんが連れてきたヤツは、
ここにいた悪霊だったんだな。
もういないよ。

少し歩くと・・・
あらぁ・・?
川は?
川があったと思うんだけど・・
干上がった川の跡らしきものはありました。

「おかしいなぁ・・」と思いつつ進む。

川の方向 あっ! 川の音だ。やっぱりあるんだ。
見るとそれは、とても水が少なく細い川が
チョロチョロと流れてました。
前も細い川とは、思ったけど・・・?

そのまま進みます。
やっぱりこの坂道は、酷いな。

そして橋を渡り階段を上り門の前に。

城跡 やぁ〜また来たよ!

静かです・・・
シーンとしてます。

良かったぁ。みんな静かに眠れてるようだね。
冬とか寒い時期は、うるさいの来なかったのかな?

合掌 また手を合わせ成仏を願う。
手をかざして氣を送り浄化すると、
パーッと太陽が当たり明るく光ります。
向きを変えると、またそこが光る。

そして今度は、前回行かなかった道の方から、
降りる事にしました。

小さな滝 あれ・・・滝の音だ!
やっぱりあるんだ。
やっと見つけた・・・小さな滝。
上から見る。
でも低いよなぁ・・・
昔は、川も滝もっと水も多く広かったと思います。

でも滝の高さは???

2mほどの高さですよ。
これで死ぬかぁ?

でもあの悪霊と共に来た女達は、間違えなくこの滝から来てたはず。
「御主殿の滝」

今は、霊気が感じられない。
恐らくここにいた女子供全員来てたのでしょう。

滝を下から見る為、道を下り廻るとそこには、
落ち武者達の為の供養碑がありました。
新しい塔婆も・・・
毎年新しくしてるのでしょう。

ここでも供養を・・・
倒された供養塔
私がむかついたのは、これです!
倒され折られた塔婆・・・・
蹴り倒されたのか・・・、供養塔・・・
荒らし方がひどすぎる!!
なんでこんな事をするのか?!
自分の墓がそんな事されてもなんとも思わないか?
悔しくならないか?
供養碑
頭に来るでしょ、怒るでしょ?
自分に置き換えて考えてみて欲しいよ。

私は、塔婆を立て直しておきました。
もうこんな事絶対しないで下さい。
自分の身も危険ですよ!

神像 それから視線を感じたので そちらに振り返ると
このような、供養の為の神像がありましたよ。

さて帰るか!
出口へ向かい歩き始めると・・・

ん・・・・?
後ろに気配・・・

振り向く私・・・?

また歩き出す。

んーーーん・・・? 誰か付いて来るぞ。
しばらく歩くと気配が消えたから、そのまま車に乗り込んで、
ついでに寄る予定の病院に向かいます。
少し走ると・・・ あら (。_)。 バタッ

こいつ、まだ付いて来てる・・・・

その事を助手に伝えると。

助手:またぁ〜? じゃー、今二人側にいるの?
結城:うーん・・・そうだね。 (^^;;;;;;;;)
助手:帰ってから上げてあげるの?
結城:ふ〜ん・・・ どうしようかなぁ・・・
   私も舎弟でも作ろうかな?(笑)

するとその付いて来た歳が20歳ぐらいの落ち武者が、
「はい!やらせて頂きます!」とニコニコしてる。

助手:二人共そうするの?
結城:いや、この子は無理だよ。(某病院からついて来てる子)
   武士の方だけ。
助手:大丈夫なのぉ? 信用できるの?
結城:うーん。この人、武士といっても下っ端で、着てる物も
   偉そうじゃなくて、おひな様の家来がかぶってるような
   黒い帽子みたいのをかぶって、着物も黒白の薄手の簡単な
   やつだけど良い人だよ。
   それは、解るからね。
助手:名前は?

ん・・・言わないなぁ。また忘れてるのかな?
死者って名前忘れるよねぇ・・。
それも400年も前の人だしねぇ。(笑)

結城:あー。でも・・・、なんか「やす」・・・?
霊:そうです!そうです!

やすが付くらしいわ。後はわからないや・・・・

結城:もう、「やす」で良いね?!
   よし!これからは、やすって呼ぼう。
霊:へー。それで良いです

やすは、初めて見る現在の景色に驚きっぱなしで、
終いに胡座(あぐら)かいて私の後ろでうるさい・・・
電車が通ると・・・
「大きな蛇が走ってる!」思わず笑った。

そうしているうちに、やっと名前が浮かんできた。

結城:「吉」だ! 「やす吉」だ!
やす吉:そーそー。そうです、やす吉ですよ。

名字はないね。
どうやらやす吉は、村人で戦に借り出された人のようです。
本人もそうだと言ってるし。

でもとても根性があって、元気で明るくて忠誠心の強い人のようですよ。
とにかく連れて帰ってまず成仏させてから、
用のある時だけ呼ぶ事にしようと考えてますよ。
肩から斬られてるし、腹も刺されてるのに元気だ事(笑)
そのケガも直してあげるからね。

やす吉:へーい。ありがとございます。


後からわかった事・・・

なんで城跡に主がいなかったかわかりました。
資料を見たら・・・、なんと・・・ (-_-メ)

この戦いの時(天正18年)、主の北条氏照は、武将を引き連れ
兄の四代当主氏政と、その子氏直らを連れて、小田原城にいたからです。
その為八王子城は、城主を欠いたまま6月23日に、わずか一日で落城して
しまったのです。

相手は、豊臣秀吉の軍勢1万5千の北国軍に対し、八王子城の守兵は千足らず・・
始めから負け戦だったのですよね。
城主のいぬ間を狙われた悲劇だったのです。

それから滝の女達は・・・

戦死者の三割は、城内に人質として連れてこられた女性や子供などで、
城近くの滝に多くの婦女子が飛び込み3日間血で染まったそうです。

そして小田原城で八王子城の悲報を聞いた北条氏照は、
床を叩いて号泣したと云われてるそうです。

そして城は、7月に開城することになりました。
北条氏照も兄氏政ともに切腹し、小田原伝心庵に埋葬されてるそうです。

でもぉ・・・。開城という事は?
城は、どうしたのでしょうか?
私の見た黒くつぶれた城の姿は・・なんだったんだ?
現在城は、跡形もなく。
何時・・、どうなって城は、消えたのか?
私の中の疑問です。

ほんと歴史に弱い私・・・ r(^^;)ポリポリ

さてと・・。これから、やす吉を成仏させなくては・・・

追伸。。。
歴史好きな方からのお知らせです。

「城主・北条氏照はどこに行った?」
実は北条氏照は「北条一の弓取り」と称される戦上手で、かの武田信玄・上杉謙信と も戦い、一歩も遅れをとらなかった人物です。
この頃氏照は甲州街道の押さえとして八王子に居城を置いていましたが、本家の氏政が小田原の守りに不安を抱き、急遽小田原に呼び寄せてしまったため、八王子にいなかったのです。

「でもぉ・・・。開城という事は?城は、どうしたのでしょうか?」
開城したのは小田原城です。八王子城ではありません。

「何時・・、どうなって城は、消えたのか?」
八王子城は落城後、再建されることはありませんでした。
また、江戸時代には「一国一条令」がありましたし、八王子自体幕府天領ですので城の必要がなくなったからです。

「なぜ、一日で落城したか?」
敵味方の兵力差もありますが、実は八王子城はまだ「完成したいなかった」のです。
(諸説ありますが落城時、6割くらいしか出来上がっていなかったといわれています)

この不完全な城に、上杉景勝・前田利家の北国軍が襲い掛かりました。
定説では埼玉県にある 鉢形城開城後、八王子城攻めの前に前田利家、上杉景勝が石垣山の本陣に戦勝報告のために豊臣秀吉を訪ねた際、秀吉は降伏を許すと共に時には、城兵はことごとく殺戮することも必要だと側近にもらしたといわれ、これを聞いた2人は、八王子城を徹底的に壊滅させる決意をしたといわれます。

しかしながら、次のような話も伝わっています。
大河ドラマ「利家とまつ」でも(ほんとに軽く)触れられていましたが・・・ 鉢形城攻めの際、極力、敵味方の人命を優先していたところ、某人物が秀吉に讒言したんです。
(讒言:ざんげん=事実をまげ、いつわって悪(あ)しざまに告げ口をすること。)
「鉢形城内の茶器が欲しいばっかりに積極的に城を攻めない」と(石田三成だったと記憶しますが、間違っている可能性あり)。
そのため本来無視しても良い八王子城をひたすら力攻めにしたのです。
いずれにせよ、それまでは相手を降伏させ、開城させる戦い方でしたが、秀吉からそれでは見せしめにならぬと言われ八王子城は徹底的にたたくという腹積もりであったようです。
落城後、北国勢は小田原を目指して八王子を通過の際、八王子城で捕らえられた婦女子を、ぼろぼろに破れた着物を身に纏ったみすぼらしい姿のまま歩かせ、また、秀吉は海から小田原城にこぎ寄せ狩野ら討ち死にした老将の首を城中に届けさせ籠城軍の戦意を喪失させたといわれています。
結城 瞳



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