大好きだよ



投稿:女性

私には子供の頃から一緒に育ったネコがいました。
そのネコは真っ白で目が紅く、足は銀色でした。
何時も私の側にいてくれて、とても不思議な、そして心から大切な友ネコでした。
でも私が二十歳になり家を出て一人暮らしをすることになり、新しい家に行った次の日、大好きなネコは老死しました。

私の使っていたベットの上で、眠るようにその時も挨拶に来てくれました。
それから私も結婚し、妊娠八ヶ月ぐらいのとても熱い夜でした。
私と夫が寝ていた部屋は、外の通路側に窓があり、何時もそこを開けて寝ていました。
ふと私の頭の横で大好きだったネコの首輪の鈴の音がしました。

           チリチリン..... チリチリン....

私は寝呆けていたので「んっ、、トム君お腹が空いたの?」と寝呆けながら話しました。
するとまた
           チリチリン..... チリチリン....

「ん〜ん?? なに?」
私は音の鳴る方に目を開けました。
そこにはテレビが、もちろん電源は切ってあったので真っ暗のはずなのに、
トムの紅の目が映っていました。
「なに???」 私は後を振り返りました。
そこには、通路側の窓に足をかけ、鉄パイプらしき物を持った三人の男が、私の家に入ろうとしていました。( ̄□ ̄;)!!

「なに! だれ? 何してるん! えっ!ひょっとして押し込み強盗!!」

私はパニクッて夫を叩き起こしました。
夫は飛び起きてビックリしていましたが、すぐに男を追い掛けて行きました。
夫は男を捕まえて警察に突き出しました。
警察の人は「どうも前から目を付けてたらしい。何もなくてよかった。」と言ってくれました。
私は思いました。
あの時トムが起こしてくれなかったら、いないはずのトムの鈴の音が聞こえ、後を振り向かなかったら、私のお腹の子供は、今頃此処にいなかったはず、、、

ありがとうトム。今でも大好きだよ。


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