友達の浄霊体験



投稿:女性

事の始まりは、虫の知らせでした。

いつものように他愛も無い話をするのに、あるお店に行ったときです。
そこの店長に私は結城先生のホームページを紹介してもらったこともあって、
話のネタは心霊現象のことも多かったです。

その日の話題は自殺でした。
自分にも憑いていたとか、浄霊の話とかしていたような気がします。
話題の方向がどう変っていったのか覚えていませんが、
その後、結城先生の名刺を見せてもらうことになりました。
結果は「気持ち悪くて長い間見てられない」という状況でした。
冗談で彼は「憑いてるかもよ」と言い、私は「まさか・・・」と、半信半疑でした。
だって見たことありませんし、実体験もないのですから。
私は大学で化学を勉強しています。
研究者として、やっぱりこういった心霊現象は信じきれないところがあったのです。


翌日、六月一日のこと。朝起きて携帯電話に着信履歴。
それは高校の時、私が山岳部だったときの部長からでした。
あまりに久しぶりで「何かな?」と思いかけなおしてみました。

「どうした?」
「Kさんが亡くなったんだって。」

まさか、、と思いました。
一緒に山を登ったり、漫画研究部で漫画を描いた私の友人K。
「もしかすると自殺かもしれない。」
彼のその一言は「ありえない」と私は思ったのです。
実感も湧かず、涙すら出ませんでした。

しかし、前日に自殺の話題、名刺のこともあって、
取り合えず結城先生に相談のメールを送ることに。
そして、取り合えず霊視をしてもらうことになったのです。

行く時ずっと気持ちが悪くなっていました。
行きたくないという思いまで出てきました。
それでもなんとか先生の所に行き、目の前に座った時、
先生は私の右肩と左肩ばかり見て、目を合わせてくれません。
「二体いるね。」と言われました。

右肩の人は、割と長い間憑いていたらしく、年頃も若い、
細身で背の低いショートカットの女の子だそうです。
「間違いなく自殺霊だ」と断言していました。

左肩の人、それはやはり私の友人Kでした。
でも先生は首をひねって、
「自殺・・・ なのかな? ちょっと良く分らない。」
と言っていました。

見てもらっている間も、右肩はこっているような痛さに対して、
左肩は腕や手の甲にかけて重量感がありました。
「だってこっちの子、すごくよりかかってる。」
と、先生に言われました。

一通り霊視が済み、浄霊をすることになりました。
Kはまだ亡くなってから四十九日経っていなかったため、
お神様に預かってもらうことになったのです。

まず右肩の霊から浄霊することに。
こちらは他の体験談でもあるように、腰の辺りにきゅうっと電気が走り、
すっと抜けていくのが分りました。

次は左肩。Kの番です。

心の中で「成仏して!」と思いながら始まりました。

段々気持ちが「何で自殺なんかしたんだ!」「もっと一緒に遊びたかったよ!」
に変り、涙があふれてきました。

その時です。
ぐっと首が苦しくなり、「うわあぁーーー!!」と叫び声をあげました。
涙がほとばしり、口から大量の涎が流れ落ちました。

苦しい。声が出ない。

その時先生が、
「何か言いたいことある?」
とおっしゃいました。
私は混乱しました。なんでこんなことを言うのか?

何か言おうにも、声が出ない。
「首吊りしたのね?」
そういうと、先生は首に手をやりました。
すると苦しいのが取れ、声が出せるようになりました。
その時やっと、Kが私に憑依したのを理解したのです。

先生「名前は? 覚えてる?」
「☆☆☆」

ちゃんと名前を言った。
神前で足を崩すまいと思っていたのに、
「足がしびれちゃった」と言って、ゴロンと横になる。
急に楽しくなってケタケタ笑い出す。

先生「なんで自殺したの?」
「自殺なんかしてないよ。」
先生「だってあなた死んでるじゃない。」
「生きてるよー。ほらー!」
先生「それはあなたの体じゃない。 あなたの友達の(私の名前)のだよ。」
「うそだー! だってこれ私の体でしょ!」
先生「よく触ってごらんよ。」
「あ、私の方がもうちょっとお腹出てるな。」
先生「そうでしょう。あなたは死んだんだよ。」
先生「これはあなたの体じゃない!」
「死んでない! 死んでないよう! 死にたくないよう !!!」
 
そういって、泣きわめく。
 
先生「じゃあどうして首吊りなんかしたの?」
「死ぬつもりじゃなかった。。」
先生「どうするつもりだったの?」
「お母さんに見つけて欲しかったの。。」
先生「自殺しようとしているところを?」
「うん。 見つけて欲しかった・・・・」
先生「自分の部屋で首吊ったんでしょ?」
「うん。」
先生「それじゃあ、誰にも見つけてもらえないわよ。」
「やっぱそうなのかなぁ。。」
先生「自分の葬式やってたろ?」
「ん・・ そう言えばやってた・・・ あれは私の葬式なんだ・・」
 
Kは自殺をしたのではなく、狂言自殺をしようとして、
本当に死んでしまったようでした。
 
先生「どうして自殺なんかしようと思ったの?」
「だから、死んでなんかいないってば!」
結城「いや、そういう気持ちになった理由を教えて。」
「えー言うの?」
先生「言ってみなさいよ。」
「やだー、恥ずかしいもん。」
先生「恥ずかしがらず言ってみなさい。」
「絶対内緒だよ?」
先生「わかった、内緒にするから。」
 
結城先生の説得で、彼女は理由を話し始めました。
 
「みんなひどいんだよ。」
先生「何がひどい? 何されたの?」
「ひどいよ〜・・・」
 
急に泣き出しました。
 
「いっぱい殴られた! みんなに犯された!」
先生「誰に?」
「いっぱい!」
先生「何人ぐらい?」
 
指を折って数えだす。
 
「5人。」
先生「知ってる人?」
「知らない人。でも中に好きな人がいたの! 酷い! 酷いよー!」
先生「今年に入ってから?」
「うん。」
 
私の中に入ってきたイメージでは一月でした。
 
「酷いよう、酷いよう! 殺してやる!」
 
手に力が入り、怒りが込み上げてきました。

先生が話を進め、感情が治まってきました。
すると、
 
「まだここにいて良い?
さっき聞いてたんだけど、49日まではいて良いんでしょう?
○○(私の名前)だって、イヤがってないし、ここは気持ちが良いんだ。」
先生「○○はイヤがってるよ。
あなたの事を大事に思ってるからこそ、ここまでしてくれてるじゃないよ。」
「そっか・・・ だけど少しだけ良い?」
先生「駄目! このままいさせるのは、○○に負担をかける。
○○の寿命を縮めたいのか?」
「良いじゃない。そしたら○○も早く逝って早く会える。」
先生「そういう勝手な事を言うな! 
○○には決まった寿命がある。
あんたにもあったのに、それを自分で縮めただけじゃない。」
「殺したい。。 普通に恋愛したかった。。。」
先生「そうだけど殺してどうする?
あんな最低な奴の為に、あんたがこれ以上する事はない。忘れなさい。
悪霊になりたいのか?」
「悪霊・・・ イヤだよー、なりたくない。」
先生「それなら素直に上がりなさい。
こうして人の体に入って離れないでいようとしている時点で、
もう悪霊なんだよ。
あんたのしようとしてる事、自殺した事は、どんな理由があっても悪い事。
あんな男はほっといても地獄行きだから。」
「そうだよね。。 だけどさぁ・・・ 私も地獄なんだよね?
怖い! 行きたくない! 痛いのはイヤ!
針で刺されたり、叩かれたりするのはイヤ!! 私はそうされるのかな?」
先生「さぁ? それは私の決める事じゃないから。
事情も事情だし、悪かった事を認めて行くなら、
そんなにひどい所には行かないでしょう。
とにかく、ここにいさせる訳にはいかないよ。行かないなら消すよぉ。」
「やだーーーーー!!」
 
私も心の中で説得し、決心がついたようです。
 
「じゃー、お願いがあるんだ。聞いてくれる? そしたら行くから。」
先生「良いよ。なに? 出来る範囲の事ならしてあげるから。」
「みんなに伝えて欲しい。 そして見つけ出して欲しい。」
先生「良いよ。わかった。
ここで口で言ったのを伝えるより、書いた方が良いから書きなさい。」
 
そして、紙に書くことになりました。
 
『私が自殺をしたのは、5人の人におかされたからです。
その中に好きな人がいたのに。くやしい。』
 
彼女が書いているというより、
私が書いてほしいことを聞いて書いているような感じでした。
最後の『くやしい。』は、彼女が書いたようです。

書きながらも「くやしいーー!」とペンを持つ手を握り締めていました。

そこに、彼女を犯した男の名前、
通っている大学、知り合った場所、年を書きました。

「みんなにこのことを知らせて! こいつらを絶対に探して!
絶対だよ! 約束だよ!」
先生「わかったよ。」

そういって、私の名前を呼ばれ意識がもどり、浄霊が始まりました。
無事預けられたようです。

憑依の間、私はずっと意識はありました。
男達にマワされた光景。彼女の死んだ場所。。。
そして、死んだ後すぐに私を頼って某店に来た光景。
そして私の彼氏の家に来た光景。全て入ってきました。

彼女は言っていました。
「私も○○(私の名前)みたいな恋愛がしたい!」
「彼氏の人やさしいね。いいなぁ。。」
「次は一人の人と、素敵な恋愛がしたい。」

生きていれば出来たと思うのに、残念でなりませんでした。
それと共に、マワした連中への怒り。
自分のことを分ってもらえなかった悲しさ。
こういった感情が今でも私に残っており、何とかしてやりたいと言う気持ちです。

これが始めての心霊体験でした。
半信半疑だったあの世と言うのを実感して、
「現代科学では説明出来ないかもな。」
とも思いました。
かなりヘビーで、翌日の今でもダメージが残っています。

しかし、謎だった彼女の死んだ理由がわかり、先生には感謝しています。

(余談:意識はありましたが、ほとんど彼女の意識だった為、ちょっと違うかもしれないです^^;
考えていることも、思っていることも私と別人だったようで、私は見聞きしていると言う状態でした。)

< 結 城 の コ メ ン ト >

角度は違うけど私も見えてた
それは、○○と某氏とがお店で話してる様子。
彼女がマワされてる時の様子。
彼女が首吊りをした部屋の様子。
これが○○と一致したので科学者もとなると・・・
何か言ってみぃー(苦笑)

後は約束を果たすのみ。
これが問題だが・・・
彼女の最後の勇気と受けた仕打ちに、どれだけ答えてあげる事が出来るか・・・

とても辛い出来事だけど、それで自殺をしなければ将来望みの恋愛も出来たろう。
それも死が目的じゃなくて、狂言で失敗・・ 本当に死んじゃうなんて。
取り戻せないんだよ・・・ 命は。
死にたいくらい苦しい事があっても、決して死を選んではいけない。
惨めになるだけだから。
せっかくある未来をも、そこで止めてしまう事になる。
死んでから「死にたくない」と言っても、もう遅い。
見つけて欲しくて狂言自殺するくらいなら、初めから話す勇気を持てば良い。


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